進化と妥協のカメラアプリ!?広角風景撮影は最高だぞ!Xperia 1 カメラレビュー

2019年6月14日に発売されたソニーモバイル『Xperia 1』。

カメラが超広角・標準・望遠の3つのカメラが搭載され、かなり今までと方向性が変わったXperia 1のカメラを実際に旅に連れて行き実際に撮影してみました。

作例とともに感じるXperia 1の鮮やかさ

晴天時(ロケ地:富山県黒部第四ダム)

1枚目は9時半頃の順光写真ですが、一番発色が好きな写真です。ダムの日陰部分も色が潰れておらず、空も中心部から端へかけてのグラデーションと雲の濃淡がとても良く出ている。

曇天時(ロケ地:長野県高瀬ダム)

観光客はほぼ来ない高瀬ダム。2枚目の写真では岩肌のグレーと雲のグレー、など暗めの色を比較的多く入れた1枚。手前の岩から176m上にある岩までしっかりと見て取れるので安いコンパクトカメラでよく見られる油絵のように潰れている感じもない。

室内などの軽暗時(ロケ地:いろいろ)

ここは蛇足みたいなものですが、割とスマホカメラにおまかせしてもそれなりに仕上がってくる作例と思っていただければ。

Xperia 1のカメラは3種類

Xperia 1には3つのカメラがあり、それぞれ35mm画角換算で『16mm F2.4』『24mm F1.6』『56mm F2.4』となり、デジタル一眼カメラをやっている方など向けにいうと超広角・広角・標準。スマートフォンユーザーには広角・標準・望遠の扱いとなる。

色に関していうとXperiaが出力したJPEGをそのまま掲載しており、ユーザー側では文字入れる以外の色加工などは一切せずにこの出来。割と優秀。

文句をつけるとするなら、白飛びするのが怖いのか気持ち暗めで出力される。Xperia側で見ると映像処理エンジン『 X1 for mobile』のおかげでちょうど良い発色に調整されるのでスマートフォンとしてはこれが正解のようです。

設定はすべてカメラ任せでOK!

広角がものすごく楽しい。なぜ今までのXperiaに無かったのか

Xperiaシリーズには「プレミアムおまかせオート」があるので大半の方がオート設定のまま撮影すれば綺麗な色合いに仕上がる。

更にデジタルカメラと同様に人の瞳にフォーカスを合わせ続ける「瞳AF」機能も搭載され、従来の顔追従のAFより的確に動く被写体を追いかけ続けてくれる進化した機能が備わった。

ただ一般人の枠から離れカメラ好きという観点から見ると何とも何とももどかしさを感じる。確かにマニュアルモードもあり「クリエイティブエフェクト」を使えばセピア調やスケッチ調に変更もできる。

しかし他社は既に滝の様な場所ではシャッタースピードを落として水の流れを綺麗に見せたり花火の光を綺麗に見せるモードもある。

少々標準カメラアプリに古臭さを感じる上にシーンセレクトは完全にオートになり自身で設定もできなくなった。マニュアル派には痛いところ。

一眼ユーザー目線だときれいとは思えない56mm F2.4でも!?

余談:新型機A350のエンジンで試運転1回のみ。ここまできれいなのはなかなか見れない

旅してる時も普段遣いでもずっと思っているのが16mmの色もいいし画角がおもしろい。24mmは若干暗い仕上がりだけどF1.8なのでボケるし、暗所にも程よい。

ですが56mm F2.4だけはなんか好きになれない。仕上がりが全体的にザラっとしてる印象。あくまでも一眼ユーザー目線でこう思うだけで実際に等倍切り取りしてみるとエンジン周りの配管から配線までくっきり見えるし金属の光沢感が白飛びしてるわけでもない。

綺麗だとは個人的に思えなくてもやっぱり仕上がりは良好のようだ。

複眼レンズ、個々に使える機能が変わる!?

カメラUIがコロコロ変わる
16mm F2.4 26mm F1.6
Exmor RS
52mm F2.4 フロントカメラ
カメラUI名称Wx1x2
設定グループ超広角フォトフォトフロント
マニュアル撮影
HDR撮影
セルフタイマー
スマイルシャッター
ハンドシャッター
先読み撮影
背景ぼかし

Xperia 1のカメラ機能をまとめるとこの様な感じになりました。3つのカメラを売りにしていた割にはなんか釈然としない結果。

やはりソニー製センサー26mm F1.6のカメラだけでそれ以外は他社製カメラセンサーが選ばれているせいで、カメラ機能が統一されてません。

使える機能が異なるため、カメラ設定グループを切り替えると表示されるボタンが変わる。一番わかりにくいのはセルフタイマー機能。実を言うと最初カメラ設定グループによってはセルフタイマー機能がないと思っていた。

広角グループとフロントグループでは撮影画面のショートカットキーにタイマーボタンがあり、フォトグループでは撮影画面には存在せずメニューを開いて設定です。

だがマニュアル撮影モードにすると撮影画面に出てくる。コロコロUIが変わってしまうのは便利な用で不便、出てくるUIは統一して欲しい気がするがどうなんでしょう。

フロントカメラのマニュアル撮影は露出調整のEV値とホワイトバランスのみ調整が可能。

サードパーティ製カメラアプリで使えないカメラが!?

16mm F2.426mm F1.6
Exmor RS
52mm F2.4
標準カメラ
Open Camera
カメラ ZOOM FX
Lightroom
VSCO
Camera 360
Camera FV-5 Lite

Androidの6つのカメラアプリをインストールしたところ、この様な結果になりました。標準カメラを除くと『カメラ ZOOM FX』のみすべてのカメラが使え、残りは何かが使えない。

ここでヒントとなったのは52mm F2.4が設定画面でいじると使えるようになった『Open Camera』だ。標準状態では使用できないが設定項目にある『camera2 APIを使う』をONにすると使える。

Android5.0から登場した「camera2 API」では高速連写やマニュアル撮影などに対応したモード。既存のcamera APIより実装が複雑化してしまい対応していないアプリもある。

同じく3つのカメラがついてるHuawei P20 Proで同じアプリ試した所やはり全部のカメラが対応するということが稀の様です。Androidの仕様であくまでもフロントとリアカメラ1つずつが標準であとはカメラアプリ側で拡張しているものと思われます。

『 カメラ ZOOM FX 』で考えるRAW保存

Xpria 1の隠れ機能としてカメラで撮影時にイメージセンサーから写真データのJPGに変換するまでの処理の間にある、イメージセンサーから出た補正のない生のデータへ直接アクセスできると発売前に話題になりました。

RAW保存が可能ですべてのカメラにアクセス出来た『カメラ ZOOM FX 』で撮影を試みたところ・・・

16mm F2.4 26mm F1.6
Exmor RS
52mm F2.4 フロントカメラ
RAW保存

これは隠れ機能ということなので参考程度にしてほしいです。先程サードパーティ製アプリ考察でも書いたとおり、あくまでもフロントとリアカメラを1つずつしか認識しないということで26mm F1.6のカメラのみRAW保存が可能という結果に。

まとめ:カメラに力を入れたのならば…

Xperiaシリーズに昔から搭載されている「プレミアムおまかせオート」があり、3つの焦点距離が異なるカメラを作ったのならばこそ…ならばこそさらなる進化が欲しかった。

他社の標準カメラでは既にある機能で言うならば「RAW形式保存」「ウォーターマーク追加」「カメラグリッドの多種化」などのカメラとしての機能を追加。

あまりにもプレミアムおまかせオートに頼りすぎ?

さらに「プレミアムおまかせオート」に関して言えば「花火」や「滝」モードがあればいいと書きました。実を言うとXperiaもに従来機には 「プレミアムおまかせオート」による撮影シーンの自動選択機能以外にユーザーが選ぶ「シーンセレクション」というものがありました。

ここにはペットやビーチ、スノーやパーティー、打ち上げ花火などのマニュアルでシーンを選べる事ができたのですがバッサリカットされていました。久しぶりのXperiaだったのでいつの時代に消えたのか定かではないですが、シンプルUIを目指しすぎた感は否めず、カメラ機能を売りにしようとしたXperia 1としてはあまりにもお粗末過ぎたと思います。

写真を21:9で保存させて

ロケ地:羽田空港 第二旅客ターミナル 南展望デッキ

また「世界初4K有機ELパネルで21:9の画面シネマサイズ」と豪語していたのに蓋をあけると静止画では「1:1」「4:3」「16:9」の3つのアスペクト比のみになっている。「21:9とはなんなのか?」と思わせるカメラアプリ。

もちろん1:1が基準でそれぞれのアスペクト比に切り取られているので上の写真で切れてる部分が映るわけではありません。しかし21:9がどこまで入るのかがわからないのが辛かった。

『Cinema Pro』側では21:9の撮影というかスクリーンショットが可能なので不可能というわけではありません。ただ単に『サボった』か『カメラ VS ビデオ』または『次のモデル進化するポイントとして売る!』などの大人の事情だと思われる。

ソニーモバイルの復活の兆しとして期待を込めて購入

わざとレンズフレアを入れてみたけど、ありでは?

Xperia 1は従来のXperiaシリーズからガラッと名称もトップの人事も移動になりまるっと変わったモデルの第一弾として登場したため期待を込めて購入しました。

カメラ機能に関してはかなり表現力が上がり「美味しいご飯もメシマズに仕上げるXperia」と言われていたのが嘘の様な色彩豊かな写真に仕上がりかなりオートで撮影する分には十二分に満足できる。

ただだからこそ妥協した部分がかなり痛さを演出してしまった。来年の今頃に出てくる端末でカメラアプリ機能がどう進化しているのかが気になる所で話を締めたいと思います。

Author: paseri

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