ニコンがついにフルサイズミラーレスカメラ『Z 7』『Z 6』を発表、マウント名もZマウントとなっている。今回の発表によりデジタルフルサイズミラーレスカメラはソニー、ライカに続き3社目となる。フルサイズミラーレスカメラを2013年から発売しているソニーから5年遅れての投入となったが、果たしとそのブランクは大きいのだろうか
デジタルフルサイズミラーレス ニコンZ 6・Z 7
既に後継が出ず生産終了となったニコン1シリーズのナンバリングを継承し、『Nikon 1 J5』の次の数字である6と7がが採用された。
『Nikon Z 6』は画素数が2450万画素の標準機、『Nikon Z 7』は4570万画素の高画素機にと最初から2台体制として登場。画素数の差により連写性能が異なりNikon Z6は最大11コマ/秒、Nikon Z7は最大9コマ/秒となる。
ボディ内手ぶれ補正となり今後レンズ側に手ぶれ補正が入るかはわからない。
スペック
Nikon Z 7 | Sony α7RIII | Nikon Z 6 | Sony α7III | |
---|---|---|---|---|
画素数 | 4570万画素 | 4240万画素 | 2450万画素 | 2420万画素 |
常用ISO | 64-25600 | 100-32000 | 100-51200 | 100-51200 |
拡張ISO | 32-102400 | 50-102400 | 50-204800 | 50-204800 |
位相差AF | - | 399点 | - | 693点 |
コントラストAF | - | 425点 | - | 425点 |
AFポイント | 493点 | - | 273点 | - |
最大連写 | 拡張9コマ/秒 | Hi+時10コマ/秒 | 拡張12コマ/秒 | Hi+時10コマ/秒 |
AF/AE追従連写 | 5.5コマ/秒 | Hi+時10コマ/秒 | 5.5コマ/秒 | Hi+時10コマ/秒 |
サイレント撮影 | ● | ● | ● | ● |
人認識AF | 顔AF | 瞳AF | 顔AF | 瞳AF |
手ブレ補正 | ボディ内5軸 補正効果5段分 |
ボディ内5軸 補正効果5.5段分 |
ボディ内5軸 補正効果5段分 |
ボディ内5軸 補正効果5段分 |
動画記録最大 | 4K30p | 4K30p | 4K30p | 4K30p |
ファインダー | QVGA | 有機EL QVGA | 有機EL XGA | QVGA |
液晶モニター | 210万画素 | 140万画素 | 210万画素 | 90万画素 |
タッチスクリーン | ● | ● | ● | ● |
バッテリー | EN-EL15b 1900mha |
NP-FW100 2280mAh |
EN-EL15b 1900mha |
NP-FW100 2280mAh |
USB-C充電 | EH-7P付属 | 市販品 | EH-7P付属 | 市販品 |
USB給電撮影 | - | ● | - | ● |
EVF時撮影枚数 | 330枚 | 530枚 | 310枚 | 610枚 |
動画撮影時間 | 85分 | 180分 | 85分 | 200分 |
連続撮影コマ数 圧縮RAW |
23コマ | 76コマ | 37コマ | 89コマ |
ストレージ | XQD | SD(UHS-II)/MS | XQD | SD(UHS-II)/MS |
予想販売価格 | 44万円 | 当時37万円 | 27万円 | 当時23万円 |
※バッテリーの性能に関してはCIPA基準。全機最長録画時間29分制限あり。
※USB-C充電はEH-7PとEN-EL15bバッテリー使用時のみ可能
※Nikon Z 7は将来XQDと同じカード形状のCFexpress TypeBにアップデートで対応予定
α7シリーズと比べて
Nikon Z7はスペックを見る限りD850をミラーレス化したようなスペックとなり、ペンタプリズム代はどこに消えたのかやや謎な印象。横幅は従来のデジタル一眼レフカメラと同じなので縦位置グリップなどを再利用できるあたりニコンらしい発想。ただ、それに伴いミラーレスカメラの最大サイズを更新してしまった。グリップ性いいだろうが、どっちつかず感が強い。
ミラーレスになったのだからD850より連写性能上がった!とかなら移行するスポーツカメラマンもいると思いますが、変わらない。ライバル機のα7RIIIと比べても1コマ少ない。
逆にNikon Z6はα7IIIより2コマ多い12コマ/秒となり後継があまり出てこなかったD750ユーザーが乗り換えたら嬉しい高速連写性能。
しかし、落とし穴があり、ニコンの最大連写性能はAEが1コマ目に固定AFが追従とのこと。Z7とZ6ともにAF/AE追従時は5.5コマ/秒となる。
記録メディアに関してはニコン ZシリーズのストレージはXQDカードのみという強気の姿勢、未だにMemory Stickの呪縛が解けないソニーとは違う。XQD自体高いですがSD UHS-IIのような高速SDカードも高いのでさほど気になる話ではない。
AFポイントに関しては像面位相差とコントラストのフォーカスポイント数がはっきりせず、AFポイントがZ 7は493点、Z 6が273点となり、像面位相差だけだとしても微妙なところで、で仮にD850やD750の位相差AF点考えるとZ 7は位相差153点コントラスト340点、Z 6は位相差51点コントラスト206点ちぐはぐなのでこれも違うかもしれない。
-1EV以下にすると像面位相差が効かなくなり、コントラストAFのみとなるのでやはり合計値かもしれない。α7IIIは合計値にするとAFポイントは1118点となり標準機なのにAFがα7RIIIより高速と出し惜しみをしない機種なのでZ 6がやや霞む。
バッテリーライフもα機はIIシリーズまで小型バッテリーを使っていましたが、IIIシリーズからZバッテリーが登場しソニーの一眼レフカメラ時代のバッテリーより大容量になったのでこの辺も気になるところ。
カメラとレンズの発売日
ニコン Z7が9月下旬発売、遅れること2ヶ月でニコン Z6が11月下旬発売とこのズレは24-70mmレンズの生産数の量によるズレだと思います。
レンズは最初は3本、ズームレンズの24-70mm F4と単焦点レンズ35mm F1.8と50mm F1.8になった。価格はズームレンズが約15万円、35mm単焦点が約13万円、50mm単焦点が約9万円と無難な価格。50mmのみ10月下旬発売で残りは9月発売
レンズロードマップ
日本では会見の時ちょろっと出ましたが、サイトにはないレンズもありロードマップが気になったところですが、一応道筋はあるようですが、望遠は70-200mmF2.8以外の予定が立っておらず、比較的広角側が多い。
注目されたのは58mm F0.95という明るすぎるレンズ。これのおかげでNIKON 1よりは本気だと思われた様で、ユーザーがついてきてくれれば息切れしない感じです。
海外サイトではこの4本のページが有り58はcoming soon扱いの特別ページでしたが仕様が少し見られる様になっていました。
最後のまとめ
制限のある最大値を見るとα7RIIIやα7IIには近いですが制限の無い最大値で見るとα7RIIやα7IIに近く、価格もやはりやや高めとなってしまった。
「マウントの情報は公開する?土田「現段階でサードパーティに情報を渡す計画はない。リバースエンジニアリングで将来的には互換性製品が出てくるのは否定できない」
— 小山安博 Yasuhiro Koyama (@surblue) 2018年8月23日
さらに会見の質疑応答ではソニーのようにマウント情報は公開せず、「サードパーティに情報を渡すことはない。リバースエンジニアリングで互換品は出てくるのでは?」とやや保守的なミラーレスとなった。もちろん今までもマウント情報は公開していないので杞憂かもしれないが。最初から公開したソニーとは真反対であるのが気になった。
キヤノンもミラーレスカメラを投入する噂はあるので今後のミラーレス市場の活性化がどうなるか、特にレンズ交換式カメラの1位と3位のユーザーがミラーレスに変わっていくのか、2位のソニーが1位になるのか。楽しみで仕方ありません。
あと、正式名称は『NIKON Z 7』『NIKON Z 6』ですが、書き終わってから指摘されたので一部Z7・Z6とつながっています。何なんですかねこの半角スペースのこだわり