いつもは、製品レビューばかりしている”家電のいろは”ですが、Twitterでつぶやくには少し長すぎるので、たまにはレビューではなく日本の家電メーカーについて思ったことを書いてみたい。
スマートフォンとノートパソコンを買い換えようという時期になり調べていると日本のガジェットに思うことが多かった。
なのでこの記事では主にスマートフォンとパソコンに携わっている家電メーカーを中心となります。
目次
ノートパソコンもスマートフォンも魅力がない
最近、私のスマートフォンとノートパソコンの買い替えサイクルが、かなり長くなっており「どうしてか?」と原因究明を開始したところ、原因は次の通りだった。
1つ目は近年目立った進化をしない
これはハードウェアもソフトウェアもどちらも行き着くところまで行き着き飛躍的に進歩しなくなった。携帯電話で言えばFOMA世代なら1シリーズごとになにか新しい機能が、パソコンならHDDの大容量化、メモリの高速化、CPUの高周波数化や省電力化があった。今はかなりほそぼそとした進化しかしていない。
もちろんのことだが3年前の機種や5年前の機種に比べれば大幅に進化している。ただ毎年買い替えてた人間としては大幅な進化がないと心躍らないのである。(わがままな客)
2つ目はなるべく国内企業製を欲しい
これは昔からで、黒物家電はソニー、白物家電は日立と三洋電機なんて思っていましたが、今元気のある国内家電メーカーが皆無。四苦八苦してる姿しか見ない。
もちろん国内企業を応援したい気持ちと個人情報がぎっちりと詰まるのが情報端末なのでセキュリティ面としてもに先進国メーカーを選びたくなる。今ではクレジットカード情報をブラウザが覚えている状態ですから、インターネット怖いものです。
3つ目はハイスペック大好き
「カタログ見るならスペック一覧!」というほどハイスペック好き。ですが2つ目の理由のように最近ハイスペックに振ってくる国内家電メーカーがない。出しても他国企業の方がすごかったり。
あとはハイスペックなカメラを買うようになってしまったのでお金がないというのもありますが、今までスマホやパソコンで満たしてたハイスペック欲求をカメラに注ぎ込んでる感じも否めない。
なので、それもこれも日本企業が魅力的な端末を出さないからに違いない!
日本企業を飲み込むダメグローバル化の波
ノートパソコンを購入しようと眺めてみると残っている日本企業というのは本当に少ない。世界でシェアを取れる様にグローバル化を推し進めていた。そしたらグローバル化の波に飲み込まれてしまった。
ビジネス向けのパソコンメーカーといえばPanasonic・NEC・富士通、エンターテイメント向けパソコンメーカーSONY・東芝・シャープと昔ならばこれだけ選択肢がありました。
しかし、2018年蓋を開けてみるとビジネス向けはPanasonicとVAIO(SONYが事業売却)、エンターテイメント向けは東芝。そこにマウスコンピュータなどPCショップから派生した会社のみになった。
中国政府のメーカーになったLenovoスパイウェア事件
NECや富士通はまだ現存しますが、Lenovo社に飲み込まれてしまった。Lenovoといえば、アメリカのビジネスPCメーカーのイメージが強いですが実際は中華人民共和国政府機関の中国科学院が筆頭株主になっている。
NECや富士通は民生向けというよりは公共機関への納入の方に力を入れていたので、2015年に起きたLenovo連続スパイウェア組み込み問題を考えると由々しき事態。
ですがもう日本に力はなく飲み込まれていくだけ。
パソコンの次はスマートフォンが飲み込まれる
携帯電話メーカーもPanasonic・NEC・SHARPの御三家に三菱電機・富士通・Sony Ericssonなど6社が賑わっていた。
しかし、2018年のドコモ新商品を見るとソニーモバイル Xperia・富士通 ARROWS(筆頭株主はファンド)・SHARP AQUOS (親会社が台湾)・Huawei(中国)・サムスンGalaxy(韓国)・LG(韓国)・ZTE(中国・現在アメリカの制裁により販売停止)
まともに息してる日本企業がソニーモバイルとファンドが保有している富士通コネクテッドテクノロジーズしかない。しかしこのソニーモバイルも赤字続き。このままではスパイウェア組み込みされてそうなメーカーしか残らなくなる。福沢諭吉もがっかりな時代に差し掛かった。
携帯電話は先見の明もガラパゴス
携帯電話が小型化しポケットに入るようになり、DoCoMoのiモードによりインターネットが、J-Phoneの写真付きメール(写メール)で自分の写真を人とシェアする今では当たり前のサービスが始まった。すると2003年には個人情報を守るために富士通がDoCoMo mova向け端末F505iに携帯電話初の指紋認証センサーを搭載した。
2004年では携帯電話の中でカメラ付き携帯電話の保有率は6割を超えた。当時のドイツでも3割、アメリカでは1割もない時代だった。
ここまで先見の明があった日本企業がスマートフォンの登場により日本だけの規格、ガラパゴスケータイと言われるほど落ちぶれてしまった。
今では「日本の携帯電話メーカーはダサい、AppleのiPhoneこそ最先端ガジェット」と言わんばかりのシェアを占めた。何も斬新なことはしていないはずなのに…。
スマホも個人情報は自衛の時代
今年ドコモから発売されるHuaweiについても個人情報は勝手に取得するし勝手に使うと利用規約に書いてあるほどのメーカーです。誰も守ってくれないとなると自衛するしか無い。
となると残るのはAppleとソニーモバイル、富士通の3社、この中で悩めと言われたら大半の人はAppleを選ぶでしょう。
国内企業をなら安心というわけでもありませんが、利用規約はしっかりしていますから、そういうところから気をつけて行かないと迷惑メールだけではなくフィッシング詐欺などの被害にあう。
ダメグローバル化に飲み込まれた先に見えた光
ここまでダメグローバル化した日本企業に嘆きましたが、鴻海に買収されたSHARPに目をやると、最近伸び伸びやっているように見える。
SHARPのスマートフォン端末といえば、大手三社キャリアでもハイスペック端末を出さず、AQUOSの文字しか売れる要素がない端末ばかりでした。
それが2018年夏モデルのAQUOS R2はハイスペック端末を発表、CPUはsnapdragon845、800番代が最上位であり、前回発表したのAQUOS Rでは400番代を使っていたのとは大違い。400番代使っていたのにもかかわらず今年の5月の発表ではスマートフォン販売台数がAppleについで2位に躍り出た。
今まで携帯キャリア3社にそれぞれ別端末を供給していたが、ハイスペックのRシリーズを供給、ミドルクラスのsenseシリーズは大手三社とサブブランド、更にボディ素材を変更したsense liteを格安SIM会社に供給とハイ・ミドル・ローをきれいに揃えた。
今まで携帯キャリアの顔色を伺って没落したSHARPがV字回復したのも頷ける。
SHARPとJDIで見る鴻海と産業革新機構の差
液晶パネルメーカーとしてのSHARPとしてみても鴻海に買収されて以降に液晶製造も安定して建材している。経産省に頼まれ産業革新機構が経営再建中のジャパンディスプレイは未だに赤字を垂れ流しており、ダメグローバルを嫌った結果を見て取れる。
変化も一時的な資金不足も怖がる今の日本企業は70年代のアメリカ自動車産業のように自国市場に頼り世界展開に消極的で外国車にシェアを奪われて没落していくのだろうか。
アメリカ自動車産業もかなりの公的資金を注入して立て直しを図っていますが、それでもトップ20の半分以上日本車が占めている。それほど政府が再建を図るのは難しいということなのでしょう。
今思うことは
日本企業は安易な身売りはしないで欲しいが、優秀な経営者が居ないならば売ってしまった方がいいのかもしれない。ただ、日本を嫌いというところに売るのだけはやめて欲しい。鴻海によるSHARPのような再建方法を切に願う。